<2015/10/27>2015年からインフルエンザワクチンは4価になりました
          経鼻不活化インフルエンザワクチン

<2009/11/6>大阪での新型インフルエンザ発症状況
大阪府立公衆衛生研究所 
大阪府感染症情報センターより新型インフルエンザ関連情報

厚生労働省 新型インフルエンザ対策関連情報

<2009/10>インフルエンザかなと思った時の医療機関の受診の仕方
<2009/10/8>新型インフルエンザワクチンについて
<2009/9/23>新型インフルエンザ対策
<2009/8/24>新型インフルエンザの流行
<2009/7>:新型豚インフルエンザの発生を省みて
<2009/7>:過去の新型インフルエンザの流行:パンデミック
<2009/7>:再度 季節性インフルエンザについて
<2009/7>:小児のインフルエンザ脳症
<2007/11/27>:インフルエンザ
           新型鳥インフルエンザについて
<2007/10/15>:インフルエンザ予防接種

2015年からインフルエンザワクチンは4価になりました
 今までのインフルエンザワクチンはA型2種類とB型1種類のでしたが、B型に対する効果が弱いため、今年からA型2種類とB型2種類の4価のワクチンになりました。
 大人は1回接種、13歳以下は2回接種が勧められています。9歳〜13歳で昨年まできちんと2回接種されている場合は かなり抗体価の上昇が良く、1回 接種でも良いのではないかという意見があります。2回目の接種後2週間くらいでしっかり抗体価が上がり、ほぼ半年間その効果が続くといわれています。
2015-10-27 13:02
経鼻不活化インフルエンザワクチン
現在 開発中の経鼻(噴霧型)不活化インフルエンザワクチンについて!
今一般に使われている注射型のインフルエンザワクチンは血液の中のIgG抗体という免疫物質を作らせることで、インフルエンザの重症化を予防します。しか し、インフルエンザという病気は鼻の粘膜について増殖しだした時点で高熱や全身倦怠感、筋肉痛、関節痛といった症状を発症させてしまいます。ですから鼻の 粘膜の防御抗体であるIgA抗体を作らせる方法が以前より考えられてきました。通常の不活化ワクチンをそのまま噴霧しても十分な抗体を産生させることがで きないため、安全性の高いアジュバントの開発が問題点でした。又インフルエンザウイルスは種類が多く、変異が激しいため、ワクチンがその変化に対応できな い事も効果が弱い一因です。ワクチンの候補株は1年前に予測され決められており、予測がはずれたときやウイルスが大きく変異した場合には効果が大きく落ち ることもあるのです。もちろん流行株を予測できない新型インフルエンザに対しては現状のワクチンでは感染予防できません。
アメリカでは既に経鼻のインフルエンザ生ワクチンが使われています。しかし残念ながら重症化しやすい5歳以下の子供の効果が弱く2歳以下は適応になっていません。
国立感染症研究所の長谷川秀樹部長の合成二本鎖RNAをアジュバントとして付加する方法で有効な経鼻ワクチンを作り出すことに成功しています。(インフル エンザウイルスのようなRNAウイルスは増殖時にRNAからRNAを作るのに2本鎖RNAを作ります。ヒトの体内には2本鎖RNAは存在せず、2本鎖 RNAを認識するToll様受容体が刺激されると自然免疫が誘導されます。つまり、RNAウイルスの2本鎖RNA自体にアジュバント作用があるわけです。 そこで必要に応じて合成2本鎖RNAを経鼻ワクチンに付加して免疫を誘導することにしました。長谷川部長)。この経鼻ワクチンは上気道での感染そのものを 防ぐこと、肺にウイルスが入っても肺炎を起こさないこと、変異ウイルスに対する交叉防御能を持つことが確認され、2010年から健康なボランティアに参加 してもらう臨床研究が始められました。
まとめると
<現行の注射型インフルエンザワクチンの問題点>
1)ワクチン株と流行株が一致した時には有効であるが、株が一致しない場合に効果が低い。
2)インフルエンザウイルス感染後の発症、重症化を予防できるが感染防御するものではない。
3)ワクチン株決定から製造までに最低半年かかる。
4)新型インフルエンザのパンデミックにおいては流行株を予測する事は不可能である。
<経鼻粘膜投与型 不活化インフルエンザワクチンの利点>
1)注射型ワクチンでは誘導されない分泌型のIgA抗体が誘導される。
2)分泌型IgA抗体は感染前にウイルスと反応し感染自体を防ぐ。
3)分泌型IgA抗体には交叉防御能(cross protection)があり変異株に対しても有効である。
4)経鼻インフルエンザワクチンにより誘導される粘膜免疫は汎粘膜免疫機構(common mucosal immune system)により全身の粘膜を防御する。
5)高病原性鳥インフルエンザH5N1に対する経鼻インフルエンザワクチンはCladeの異なる株に対しても有効であり、流行株の予測が不可能なプレパンデミックワクチンとして最適なワクチンである。
6)簡便で痛くない!
7)針が必要なく安全、医療廃棄物の減量につながる。

国立感染症研究所感染病理部における経鼻インフルエンザワクチン開発
1987年 感染研病理部細胞病理室長、田村慎一 ;部長、倉田毅による
   「コレラアジュバント(CTB*)併用経鼻インフルエンザワクチン」開発研究開始
1989年 特許「ワクチン製剤」感染研と(社)北里研究所の共同出願。
1989年 最初の論文発表 (Protection against influenza virus infection by vaccine Inoculated
    intranasally with CTB. (Vaccine 6:409-413,1988))
*2002~2004年  スイスで、大腸菌易熱性毒素をアジュバントとした経鼻ワクチンを接種した一部の    ヒトに顔面麻痺(Bell’s Palsy)が発症したため使用中止される。
新しい安全なアジュバントの開発開始
2002年 感染研感染病理部、第二室長、長谷川秀樹 ;部長、佐多徹太郎:
   「Poly I:C併用経鼻インフルエンザワクチン]開発研究開始
2004年 特許「粘膜免疫誘導アジュバントを含む新規ワクチン」感染研と(財)阪大微研の共同出願
2005年 最初の論文発表 (Synthetic double-str
    anded RNA [poly (I:C)]combined with mucosal vaccine protects against influenza virus infection.
    (J Virol 79, 2910-2919, 2005))
2006年〜
   安全性の高いアジュバントであるAmpligen (Poly I:C12U、米国 Hem社製)を併用した経鼻新型インフルエンザ   (H5N1)ワクチンが, ワクチン株と異なる株の流行も予防する可能性が動物実験で示され、プレパンデミックワク   チン開発計画開始
2007年〜 厚生労働科学研究費医療技術実用化総合研究事業 開始

            1988年~2008年:経鼻インフルエンザワクチンについて英文論文62報発表

早く実際に使用できる日が待ち遠しいです。2015年10月27日




<2009/11/6>大阪での新型インフルエンザ発症状況
大阪府立公衆衛生研究所 大阪府感染症情報センターより
新型インフルエンザ関連情報
をクリックしてご覧ください。


<2009/10>

<新型インフルエンザにかかったかなと思った時の医療機関への受診の仕方>

*受診時には必ずマスクをつけましょう。
  手洗い、咳エチケットを守りましょう。

*予め受診する時間帯・場所を確かめましょう。

*脱水予防のために こまめに水分を取りましょう。

<迅速診断検査のタイミング>

脳症や呼吸不全を疑う症状があれば早期受診をお勧めします!!

少なくともこんな時は早期受診しないほうが得なことが多いです。
熱が出てちょっと食欲がなくなったけど、機嫌はまあまあ
熱が出て機嫌はちょっと悪いのだけど、食欲は結構ある
*今後、秋・冬の感染拡大の中、幼児における新型インフルエンザの流行は避けられないものと考えられ、
この年齢層を中心とした小児のインフルエンザ脳症の発症数の増加が危惧されます。


*以下の症状は、インフルエンザ脳症の早期の症状として、保護者など一般の方が注意すべき点です。
これらの症状が見られたら医療機関(小児科であることが望ましい)を受診ください。

インフルエンザ様症状(発熱、気道症状)に加え
A:「呼びかけに答えない」など意識レベルの低下がみられる。
B:けいれん重積およびけいれん後の意識障害が持続する。
C:意味不明の言動がみられる。

*強い解熱剤(例:ボルタレン、ポンタールおよびこれらと同様の成分の入っているもの)は
インフルエンザ脳症の予後を悪化させるので、
必ず解熱剤はかかりつけの医師に相談してご使用ください。

*インフルエンザに伴う呼吸不全
チアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫色になること)、呼吸困難が出現したとき
発熱や咳の有無にかかわらず急いで受診ください。

*他にも心筋炎などの合併症があります。
また、吐物の誤嚥による窒息事故なども起こり得ます。
高熱に伴う熱譫妄でもうろうとなり道に飛び出す、
高いところから飛び降りるなどの事故にあうこともあります。
よくお子様の様子を見てあげてください。


<迅速検査について>

早期診断が必要というものの、あまりに早期では診断はつきません。
多くの場合 発熱後6時間から24時間を過ぎて迅速検査の陽性率が上ります。
抗インフルエンザ薬(ノイラミニダーゼ阻害薬)による治療は
発熱後48時間以内に開始すると有効と言われています。

安易に「超」早期の受診をしていくと地域の小児医療を崩壊させる原因になるかもしれません。世界で最も多くの迅速検査をしている日本でも早晩検査キットが底をつくかもしれません。早期受診があまりに多くなれば、小児科では重症なお子さんの診療に支障が出るだけでなく、医療全体が疲弊していきます。手遅れは困りますが、「超」早期受診も小児医療にはかなり負担がかかります。またお子様も保護者も疲れます。それを避けるには、
親御さんが自分の子どもの病状を看る、判断する目を養うことが大切です。

様子をみるということは、放置するということではありません。
目を離さずに見てあげてください。

<新型インフルエンザ蔓延期に大切なこと>

*社会的な流行のインパクトを最小限に抑えることが大切です。

重症の患者さん(インフルエンザ以外も含みます)の医療に
支障をきたさない
ように
することが重要です。

*ごく軽症のインフルエンザの患者さんを見つけ出すことは、
蔓延期になると意味がありません。

             <保育園や幼稚園の先生に>

子どもが熱発した場合に、以下のような項目の指示はお控えください。

   「熱が出たらなんでも とにかく小児科受診してください」

「熱が出たら全員インフルエンザの検査をしてきてください」。

「6時間でも検査が陽性に出ますから小児科を早く受診してください」
 (陽性に出ることが時にあるというだけのことです。)

「検査をしなかったら保育園への登園はお断りします」

子育てのプロとして、熱が出た時の経過を落ち着いて観察するポイントを
  親御さんに教えてあげる良い機会にしてください。



<2009年10月8日>
新型インフルエンザワクチンについて
新型インフルエンザワクチン接種の予定が徐々に決まりつつあります。
原医院では季節性インフルエンザに引き続き、新型インフルエンザの予約を受けていく予定です。

今回の新型インフルエンザに関しては、多くの方は軽症のまま回復している一方、
基礎疾患を有する方等において重症化する可能性が高い、などの特徴があります。
また、今回の新型インフルエンザの予防接種については、死亡者や重症者の発生を
できる限り減らすことやそのために必要な医療を確保することを、その目的としています。

          優先接種の対象者
(1)インフルエンザ患者の診療に直接従事する医療従事者
  (救急隊員を含む)
(2)妊婦及び基礎疾患を有する方
(3)1歳から小学校3年生に相当する年齢の小児
(4)1歳未満の小児の保護者、優先接種者のうち、
   予防接種が受けられない方の保護者等

       その他の対象者
 ○小学校4年生から6年生、中学生、
   高校生に相当する年齢の者
 ○高齢者(65歳以上)

具体的には 10/19から医療関係者
11月は基礎疾患のある方、。
12月には1歳〜小学校3年生以下の児童、乳幼児の接種が始まるようです。
そして来年1月以降には小学校4年生以上〜高校生が対象になると考えられます。

*なお現時点では2回接種を予定していますが、
対象者の一部に対しては1回接種でも良いことになる可能性も考えられます。
*新型インフルエンザに感染して発症した方は、免疫を持っていると考えられるため、
予防接種をする必要はないと考えられます。

参照 : 厚生労働省HP
新型インフルエンザワクチンQ&A



<2009年9月23日>新型インフルエンザ対策

超早期受診は診断がつきにくく、何度も迅速検査をするにはキットが不足してきています。
比較的元気であれば発熱後24時間経過してからの受診をお勧めします。
但し乳幼児の意識障害、熱譫妄(ねつせんもう)⇒幻視、幻覚を見て、異常行動をする場合は
インフルエンザ脳症の初期症状であることがあります。
このような初期症状 特に意味不明の言動などの症状がみられた場合には、
注意深く様子を観察し、早期の病院受診が必要になることがあります。
また、急激に呼吸が苦しくなる等の症状にもご注意ください。


通常季節性インフルエンザワクチン
について
65歳以上の高齢者を中心にインフルエンザワクチン接種をいたします。
10月中旬より順次接種の予定ですが、ワクチン入荷数に限りがあります。
在庫切れの場合はご容赦ください。
予約のみですので必ずお電話もしくは窓口にてご予約ください。
なお来院前に必ず体温を測定してきてください。
 


<2009年8月24日>
新型インフルエンザの流行

 日本国内において、7月末から、新型インフルエンザ(H1N1)2009と思われる、A型インフルエンザの感染伝播が徐々に広がっています。多数の軽症者、無症候性感染者と共にリスクのある患者さんでは死者の報告もみられるようになりました。9月になり夏休みが終わると学校で爆発的に患者さんが増える可能性もあります。世界的な流行からの情報によると、人工呼吸管理を必要とする重症のケースが増え、通常の季節性インフルエンザよりも若干病原性が強いと報告されています。
特にリスクのある方は予防を徹底してください⇒過去記事「新型豚インフルエンザ発生を省みて」

なお 早期診断が必要というものの、あまりに早期では診断はつきません。
多くの場合 発熱後6時間から24時間を過ぎて迅速検査の陽性率が上ります。
抗インフルエンザ薬(ノイラミニダーゼ阻害薬)による治療は
発熱後48時間以内に開始すると有効と言われています。

非常に軽症で終わる場合は抗インフルエンザ薬による治療が不要なケースもあります。
夏風邪ウイルスによる感染症も流行っています。
発熱と共に医療機関に走るのではなく、症状を見て
熱のわりに重症感がある場合は、48時間以内に医療機関を受診下さい。
海外での報告では発病4日以内に入院したケースはほとんど救命できています。


但し乳幼児の意識障害、熱譫妄(ねつせんもう)⇒幻視、幻覚を見て、異常行動をする場合は
インフルエンザ脳症の初期症状であることがあります。
このような初期症状 特に意味不明の言動などの症状がみられた場合には、
注意深く様子を観察し、早期の病院受診が必要になることがあります。
⇒過去記事「小児のインフルエンザ脳症



<2009年7月>原医院からの医療ニュース

新型豚インフルエンザ発生を省みて
(「医療情報」の新型鳥インフルエンザもご参照ください。)

メキシコ共和国に端を発した新型豚インフルエンザ
幸いにも低病原性で気温の上昇と共に日本での流行は一旦は落ち着いてきたようです。
鳥インフルエンザで心配されていたように、日本で何十万人もの死者が出るような事は起こらないと考えられます。 そして通常、インフルエンザは冬に流行しやすく、これから夏に向かう北半球では小規模な流行で終わり、南半球が感染の流行期に入っています。

今年の冬には季節性インフルエンザと共に今回の豚インフルエンザもはやってくると考えられます。インフルエンザで死に至る原因の多くは細菌感染の合併による肺炎です。
高齢者の方はインフルエンザワクチンのみならず肺炎球菌ワクチンの接種を考慮ください。
国民の1/4、ほとんど全部の国民がかかる可能性もあるわけです。
自己防衛よりも感染を拡大させない振る舞いが大切になってきます。
*肺炎球菌ワクチン:5年間程度の効果が期待できます。

 北米の豚に11年前に登場したウイルスが、遺伝子解析により今回の新型につながっていたことが分かってきました。豚のインフルエンザはありふれた病気です。1998年夏、米ノースカロライナ州の養豚場で多数の豚にインフルエンザ様の呼吸器症状が出ました。この時検出されたのは普通の豚インフルエンザウイルスではなく、スペイン風邪の子孫と考えられる人A型インフルエンザウイルス、豚ウイルス、鳥ウイルスの3種類の遺伝子が混ざり合った珍しいタイプでした。こうした3種混合タイプのウイルスが11年かけて感染を繰り返し、人への感染力を獲得したのではないかと言われています。更に2005年以降に、ユーラシアの豚由来のウイルスなどが混ざった可能性も指摘されています。豚は品種改良が続けられており、世界各地の種豚が国境を越えて移送されます。その過程で各国の豚が接触し、人から人へ効率よく感染する新しいタイプのウイルスが生まれたと考えられています。


<今回なぜ若年層の感染が目立つのでしょう!!>

理由@:サイトカインストーム(鳥型インフルエンザで特に問題!)
若くて健康な人は免疫系の反応が良く、感染症への防御反応として
産生されるサイトカインが過剰になり、気道閉塞や多臓器不全を引き起こしてしまう。

理由A:多くの高齢者には過去の感染に伴う免疫のメモリーがある。
高齢者の多くは過去に型の変異したインフルエンザの洗礼を何度も受けています。
若年層では免疫のメモリーが乏しいため、新型が流行する初期には多くの人が感染してしまいます。数年して若年層の多くが免疫を保持するようになると全年齢層がほぼ等しく免疫を持つようになり、その結果 相対的に抵抗力の弱い高齢者に被害の中心が移っていくと考えられています。

<低病原性だからかかっても大丈夫??重症化するのは?>

皆が油断してしまうと リスクが高い人を中心に、死者が出る可能性があります。
海外で現在重症化しているのは基礎疾患をもった幼児と20代から50代までの成人です。
10代は多く感染していますが重症例はあまりみられていません。
通常のインフルエンザと同様に糖尿病や心臓疾患、喘息を有する人、妊婦 特に妊娠後期の妊婦が重症化しやすくハイリスクです。

通常の季節性インフルエンザでも1万人から3万人の死亡者が出ることがあります。
多くは 重篤な基礎疾患があったり、80〜90代の高齢の人たちで、
インフルエンザをきっかけに脳梗塞や心筋梗塞、細菌性肺炎等を起こして亡くなっています。

しかし、新型豚インフルエンザではでは、上記以外に頻度は少ないですが 
重症化しているグループがあります。
若くて基礎疾患を持たない健康な人たちです。
メキシコでは当初病院に行くのが遅れて重症化したのではないかといわれました。
しかし、富裕層の健康な若者で 早くから治療を受けていても重症化し亡くなったケースがあるのです。この人たちは 恐れられていた鳥インフルエンザ(H5N1)に近い状態になっています。
基本的にはインフルエンザウイルス自体によるウイルス性肺炎で、
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)という重症の肺の障害を起こし、呼吸不全で亡くなっていきます。
ウイルス性肺炎にまで進行してしまうと現在の抗インフルエンザ薬は有効ではなく
先進国での高度な先進医療を施していても救命が難しくなるのです。

<米国では>

2009年5月20日現時点では米国では10万人が感染し、死亡例は6人しかありませんでした。
医療設備が整った米国ではICU(集中治療室)で呼吸管理が行われるため、重症化してから無くなるまでに2〜3週間もかかっていたのです。死亡者の数は多くはありませんが実際には170人から180人が重症化して入院しているといわれています。
日本では!>

日本では 医療の効率化、医療費削減が進められ、
ICUのベッド数や人工呼吸器の数が非常に限られています。
地域によってはICUの無いところがあり、都市圏でさえ不足しています。
また、妊娠後期の妊婦の重症化が続いた場合、産科医不足が問題となり、
未熟児のためのNICUも不足している日本ではその対応も問題になります。

日本の医療は人的にも物資的にも施設が不足しているのです。
現在の日本の医療が抱える弱点をつかれ被害が拡大する恐れがあります。


開発途上国では更に大きな被害が予想されます。>

 今回のウイルスは 高齢者は比較的重症化しにくいですが、途上国では高齢者の割合は少なく、大人も子どもも基礎疾患を持っていてもコントロールされていない人たちが多くいると考えられます。医療体制も不十分で、抗インフルエンザ薬の備蓄もなく、ワクチン生産体制もありません。WHOは、ハイリスクの人にパンフレットを配る等の情報提供で、少しでも感染を食い止める方法を考案しています。

<新型インフルエンザウイルスによるパンデミック>

過去に何度も新型インフルエンザのパンデミックが地球を襲っています。
パンデミックとは流行が短期間に世界的に拡大し、多数の人々が年齢を問わず感染する状態を言います。新型インフルエンザは数回の流行を繰り返して、数年後には季節性インフルエンザとなっていと考えられます。
今までの流行を見ると第1波が小規模に終わっても 第2波や第3波が大きな流行になっていることがあります。決して油断せずに 警戒したいと思います。
今回の新型インフルエンザは通常のインフルエンザよりやや潜伏期が長く、
1日から7日と言われています。それだけに世界各国の流通が盛んに自由になった現在、流行を阻止することはとても難しいことになります。

一人ひとりの地道な努力が地域社会を守るのです。

重症化しやすいハイリスクの人たちが感染しないように、感染の拡大は出来る限り抑えるべきです。「軽症だからかかってもかまわない」と感染を広げてしまうと 重症化する人も増えます。
一人ひとりが感染を拡大させない努力(手洗い、咳エチケット等)をすることが
地域社会を守ることになるのです。

<早期診断、治療、混合感染の治療・予防>

 今回多数の重症例が出たメキシコでは 死亡例のほとんどが発症から1週間以上を経て初めて医療機関を受診し、多くは細菌性肺炎を併発していたと言われています。細菌性肺炎は肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、連鎖球菌、インフルエンザ菌(インフルエンザウイルスではありません)などで起こります。中でも肺炎球菌肺炎は頻度が高くて重症化しやすい疾患です。
65歳以上の高齢者、慢性の呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病、腎疾患などをお持ちの方は
肺炎球菌ワクチンの接種を積極的に考慮してください。
*糖尿病で血糖値が高い状態は色々な感染症が起こりやすくなります。
きちんと治療し、血糖値をコントロールしてください。

早期診断:あまりに早期では診断はつきません。
多くの場合 発熱後6時間から24時間程度で迅速検査の陽性率が上ります。
抗インフルエンザ薬(ノイラミニダーゼ阻害薬)による治療は
発熱後48時間以内に開始すると有効と言われています。
また新しいタイプの耐性の出来にくい抗ウイルス薬の開発も進んでいます。

<一般予防策では、うがい、手洗い、マスクがあります。>

自己防衛よりも感染を拡大させない振る舞いが大切になってきます。
・流行が懸念される時期には不要不急の外出を避け、人ごみに出ない。
・互いの咳エチケットの遵守。
・外出後のうがいと手洗い。
(インフルエンザそのものに対してというより、
主たる目的は上気道感染症に対する予防効果という意味合いがあります。)

<新型インフルエンザに対するワクチン
人は新型インフルエンザに対し全く抗体を持っていませんので
ワクチンを接種する必要があります。
現在のワクチンは新型インフルエンザには効きませんが、
新型インフルエンザ用のワクチンの生産はこの秋・冬にはまだ十分量が期待できません。
早期治療が大切です!!

<耐性ウイルスについて>
治療中の耐性ウイルスの発生はある程度は起こってくるものです。
子どものインフルエンザをタミフルで治療すると約5〜10%に耐性ウイルスが発生するといわれます。しかし治療に伴って発生したウイルスの多くは増殖する力が弱く自然に消失してしまうと考えられます。ただし、感染を繰り返しているうちに増殖する力の強いウイルスが発生してしまう可能性はあります。
 

 
過去の新型インフルエンザの流行 パンデミック
(感染爆発、世界的大流行のこと)

*ヨーロッパにおける最も古い記録は紀元前412年のヒポクラテスとリヴィによるものだそうです。
*11世紀には流行を推測させる記録が残っており、
*16世紀にはイタリア語で「星の影響」が語源のインフルエンザと呼ばれていたそうです。

*明らかな最初のパンデミックはスペイン風邪(H1N1)(1918 flu pandemic)です。
1918年(大正7年)から1921年までに3波にわたり全世界を襲いました。
第1波は第一次世界大戦の最中、1918年3月に米国のデトロイトやサウスカロライナ州付近で出現し、同年6月頃、ブレスト、ボストン、シエラレオネなどで病原性の強いウイルスによる感染爆発が起こりました。米軍と共に欧州に渡り、西武戦線の両軍兵士に多数の死者を出しました。

アメリカ発ですがスペイン王室の罹患が注目され、情報がスペイン発であったため
スペイン風邪と呼ばれるようになったそうです。

第2波は同年秋です。世界的に同時発症して更に重い症状を伴いました。
第3波は1919年春に起こり、秋には終息に向かいました。


(中外製薬のHPより)
この間 世界の全人口の約50%が感染し、25%が発症したと見積もられています。
感染者6億人、死亡者は2000万人以上!4000〜5000万人とも言われています。
日本では1918年(大正7年)11月に全国的流行となり、3年間で人口の約半数(2380万人)が罹患し、38万8727人が死亡したと報告されています。一説によると、この大流行により多くの死者が出たため、第一次世界大戦終結が早まったと言われています。

多くの人が免疫を獲得するにつれて死亡率は低下しましたが、
1957年にアジア風邪(H2N2)が現れるまで流行し続けました。

アジア風邪(H2N2)
 1957年4月に香港で始まり、東南アジア各地、日本、オーストラリア、さらに米国、ヨーロッパなど
世界各地へひろまりました。
発端は中国南西部と考えられています。

ほとんどの人には免疫がありませんでしたが、50歳以上では抗体を有している人が多かったと考えられ、
50年以上前に類似の流行があった事が推測されています。
抗生物質時代に入ってからの重大な流行で、スペイン風邪の約1/10の規模でした。
300万人が罹患し、死者は5700人。
当時の市中肺炎の第1位の起炎菌は黄色ブドウ球菌で、
インフルエンザによる死亡者の肺炎中、上記による二次感染が注目されました。

香港風邪(H3N2)
1968年6月に香港で爆発的に流行。中国が発祥地と考えられています。
8月には台湾、シンガポールその他の東南アジア各地へ、9月に日本、オーストラリア、
さらに12月には米国でピークを迎えました。

新型でしたが、血清の解析により1890年代に類似の方の流行があった事が示唆されています。
香港では6週間で50万人以上が罹患。
全世界で56000人以上の死亡者が出ました。

ソ連風邪(H1N1)
1977年5月に中国西部から始まり、12月までにシベリア、西部ロシアへ。
12月に日本、翌年6月までに米国、ヨーロッパ、オセアニア、南米まで流行は拡大しました。
1950年代に流行したイタリア風邪と遺伝子的に同一で、23歳以上は抗体を有していました。
そのため当初 流行は小児と若年層に限られていましたが、
連続変異が起きるにつれ他の年齢層にも広がりました。


インフルエンザ 世界の流行年表 中外製薬HP




再度 季節性インフルエンザについて

▼インフルエンザの年齢別罹患率および死亡数
 
   (中外製薬HPより) 
 日本においてインフルエンザの流行は学校という集団の場から始まることが多いと考えられています。特に小学生の罹患率が高く、それが家庭で成人や高齢者、乳幼児に感染してゆきます。
高齢者は罹患率は低いのですが、死亡率は高く注意が必要です。、
通常の季節性インフルエンザによる死亡は、子どもに見られるインフルエンザ脳症がありますが、
ほとんどは高齢者です。


<ハイリスク者:重症化しやすい方>

  • 65歳以上の高齢者、
  • 妊娠28週以降の妊婦、
  • 慢性肺疾患(肺気腫、気管支喘息、肺線維症、肺結核など)、
  • 心疾患(僧帽弁膜症・鬱血性心不全など)、
  • 腎疾患(慢性賢不全・血液透析患者・腎移植患者など)、
  • 代謝異常(糖尿病・アジソン病など)、
  • 免疫不全状態の方

日ごろから予防を心がけるだけでなく、
重症化を防ぐためにもインフルエンザワクチンを接種をお願いします。
また、本人だけでなく、家族や周囲の方もワクチン接種をお願いします。



インフルエンザ脳症
インフルエンザには種々の合併症があります。
合併症の種類は様々で中には死に至る重大なものもあります。


中でも 近年日本では小児のインフルエンザ脳症が問題になっています。
毎年 乳幼児を中心に 数百人の発症があり、インフルエンザの最も重い合併症です。
死亡率は約30%、25%の子どもに後遺症が残ります。インフルエンザウイルスの感染が引き金となり、突然の高熱 1〜2日以内にけいれん、意識障害、昏睡などさまざまな中枢神経症状を起こし短期間のうちに全身症状が悪化し、死に至ることがあります。

 小児は、高熱を出した際に、熱譫妄(ねつせんもう)と言って、幻視、幻覚を見て、異常行動をする場合があります。例えば、実際は存在しない、アニメのキャラクターが壁に見えると言って笑う事があります。意味不明の言葉を喋ったり、理由もなく怯えたりすることがあります。

しかし、それがインフルエンザ脳症の初期症状であることもあるのです。
このような初期症状 特に意味不明の言動などの症状がみられた場合には、
注意深く様子を観察し、早期の病院受診が必要なことがあります。

小さな命[インフルエンザ脳症とは]



 

<2007/11/27>原医院からのお知らせ

インフルエンザ
が流行してきました。

インフルエンザは喉の痛み、鼻水くしゃみ咳などを主な症状とする普通の風邪とは違います。
高熱、頭痛、筋肉痛、関節痛等の全身症状が強く、重症化する事があります。
気管支炎や肺炎、小児では中耳炎や熱性けいれん等を起こしやすく、脳症の報告もあります。
特に呼吸器、心臓などに慢性の病気を持つ人や高齢者では最悪、死に至ることもあります。


冬季は空気が乾燥し、喉の粘膜の防御機能が低下するためインフルエンザにかかりやすくなります。
マスクの着用や加湿器の使用(湿度5060%)をお勧めします。
十分な休養、睡眠により体力や抵抗力を高め、バランスのとれた栄養も大切です。
帰宅後のうがい、手洗いも一般的な感染症予防として励行してください。

またかかってしまい、咳などの症状があるときは、
周りの方へうつさない為にマスクの着用がすすめられます。

予防の基本は、流行前にワクチン接種を受けることです!
原医院では現在ワクチン接種を積極的に行っています。
接種により重症化の予防が期待できますが、感染は防げない場合があります。
インフルエンザが疑われる時には医療機関を受診してください。
原医院では15分で結果の出る迅速診断も行なっています。


インフルエンザ予防接種

インフルエンザウイルスは毎年変化しながら流行します。
流行を予測し、毎年予防接種は作られています。
特に高齢者や心臓や肺に慢性の疾患をお持ちの方は重症化する場合があり、
インフルエンザ予防接種をおすすめしています

年内に是非受けてください。
65歳以上の方は公的補助が受けられます。
又13歳以下は2回接種(1〜4週間隔)が勧められます。



*新型鳥インフルエンザについて
 A型のインフルエンザウイルスはヒトをはじめ鳥、豚、馬、鯨など多くの動物に
感染する人畜共通伝染病です。
A型ウイルスにはヒト型とトリ型があります。
ブタはその両者に感染します。
そこでブタにヒト型とトリ型のインフルエンザが同時に感染した場合には
双方の遺伝子RNA
分節が混合した(再集合)ウイルスが出現し、
その中でヒトに感染できるウイルスが流行の原因となります。
中国南部には ヒト、ブタ、トリが共存する環境があり、
新型インフルエンザが出現するのはこの地域であろうと考えられています。

 
現在は いつ人に感染力のある新型インフルエンザが流行しても
おかしくない状況といわれています。
もし流行が始まってしまうと、現在の人類は全く免疫力を持っていないわけですから
恐ろしい勢いでの流行が考えられます。
新型インフルエンザは通常のインフルエンザよりも更に全身性の出血性の感染症の症状をとり
致死率の恐ろしく高い疾患であろうと言われています。
常に 発生に注意が必要です。


<2007/10/15>原医院からのお知らせ

インフルエンザ予防接種

インフルエンザは、突然の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などではじまり、
のどの痛み、咳、鼻水などもみられます。
普通の風邪に比べて全身症状が強い病気です。
気管支炎や肺炎などを合併し、重症例が多くみられます

インフルエンザウイルスは毎年変化しながら流行します。
流行を予測し、毎年予防接種は作られています。
特に高齢者や心臓や肺に慢性の疾患をお持ちの方は重症化する場合があり、
インフルエンザ予防接種をおすすめしていま
す。
65歳以上の方は公的補助が受けられます。
又13歳以下は2回接種(1〜4週間隔)が勧められます。